デザイン&クリエイティブ
知ってるだけでスキルアップ!漫画を面白く上手に描くコツ
せっかく漫画を描くことが好きなら、副業には漫画制作を選びたいですよね。実際、副業で漫画を描いている人は近年たくさんいます。
ですが今まで漫画について本格的に学んだことがない、趣味の範囲で漫画を描いてきたのでスキルに自信がない…という人は、漫画を面白く描くこと、きれいに上手に描くこと、あらゆる面で不安がいっぱいですよね。
そこで今回は、漫画を面白く上手に描くうえで実践しておきたい簡単なコツについて解説していきたいと思います。
目次
描きたいものをただ描くだけでは面白さは伝わらない
まず知っておきたいのは、描きたいものをただ描くだけでは、その漫画が持つ面白さは伝わりにくいということです。
例えばそれは、漫画のこと以外を例にしても同じですよね。「このリンゴは美味しいです」とただ伝えるだけでは、どれだけ美味しいのかは伝わりづらいもの。
ですが逆に「このリンゴの秘密、知ってますか…?実は、ここでしか言えないことなんですが、このリンゴには…」なんて前置きが入っていたり、写真やイラスト付きでリンゴの美味しさの秘密がプレゼンされていたりすれば、リンゴはより美味しそうに見えますよね。
漫画もまったく同じことです。恋愛漫画で「あなたのことが好き」と2コマくらい使って告白のシーンを描いたとしても、ただ人物を描くだけではやっぱり盛り上がりには欠けますよね。大事なシーンだからこそ効果などの表現をたくさん使って、大胆に1ページを使えば、シーンも盛り上がります。
このあたりは基礎中の基礎ですが、「ただ描くだけでは面白くならない」ということをあらゆるシーンで意識しておくと、漫画のスキルは格段にアップしていきます。
伝えたいことがそのまま読者に伝わることはない
また、伝えたいことがそのまま読者に伝わるわけではないということを認識しておくことも大事なことです。どういうことかと言うと、描きたいと思っていることの面白さ、笑える・泣ける具合を、自分を感じたようにそのまま伝えることはなかなかできないということです。
だからこそ上でお伝えしたように表現には工夫を加える必要があるのですが、実はそのように表現を工夫したところで、自分が思う面白さが伝わるとは限りません。
そのため面白い漫画を描くなら、「どうすれば読者にこの面白さが伝わるのか」という点に注力する必要があるということです。
その表現や工夫のためにアイデアを絞れば、その分面白さは伝わりやすくなるといえるでしょう。自分の中の脳の情報がそのまま漫画を通して伝わるわけではないため、「伝えたいことはなかなか伝わらない」という認識を先に持っておくことは大切です。
大事なのは感情を揺さぶること
漫画のストーリーやネタを考えるうえで、大事なのは読む人の感情を揺さぶることです。
それは笑いや感動、悲しみ、怒り、あるある的な共感、トリビア的な納得感など、さまざまな感情があります。このどれかの感情を揺さぶることができればできた分だけ、漫画は面白くなります。
人はどんなときに面白いと思うのか、人はどんなときに感動して泣くのか、人はどんなときに「あ~あるある」と共感するのか……それぞれの感情について整理しておくとネタ作りには役立ちます。
セリフ選びにセンスを出そう
同じ漫画でも、セリフが変わるだけでもストーリーは一気に面白くなります。
分かりやすい例で言うと、「許さない」と怒りに震えるシーンも、ただ「許さない」とセリフを入れるだけではあまりにもベタですよね。もう少し別のセリフを入れれば、より怒りは伝わりやすくなるかもしれませんし、セリフだけで読者を感動させることもできるでしょう。そこに自分の漫画ならではの個性を出すこともできます。
例えば「許さない」よりも「全身の血が…沸騰しそう…」と比ゆ的な表現を入れたり、「許すと思うの?許さない」のような反語的表現にしてみたりするだけでも効果的な場合があります。
ベタなセリフばかりの漫画は、量産品的なにおいが強くなってしまい、どこか陳腐なものになりやすいことを覚えておきましょう。
画面のメリハリを意識すると読みやすくなる
漫画を描くとき、画面のメリハリを意識すると、1ページを見たときの見やすさは格段に変わります。
分かりやすい例で言うと、コマのサイズです。1つあたりのコマがほぼ同じようなサイズだと、どうしても見づらく、どこか見せ場なのかわかりづらくなってしまいます。このような漫画は途中で「見づらい」という理由から飽きられてしまう場合があります。
メインや見せ場にしたいコマを決めたら、これは他のコマよりも何倍ものサイズを大胆に取りましょう。するとそれぞれのコマのサイズが変わって、画面にメリハリが生まれます。
人は自然と、文章を読むときにも太字になっているところを追ったり、読みやすいと感じたところだけを読もうとしたりするものです。
それは漫画も同じで、メインっぽいと感じたコマを無意識のうちに追いながら斜め読みしていきます。だからこそメインのコマがそれぞれのページに合った方が、読みやすさはアップするのです。
読切のストーリー漫画は登場人物を増やしすぎない
数十ページの読切のストーリー漫画を描く際に、気をつけておくべきは、登場人物の数です。結論から言うと、キャラクターの数は増やしすぎない方が無難です。
実際、数ページ~数十ページのストーリー漫画の中で描けることは限られています。そんな中で「ん?この人は誰?何の人だっけ…」「誰が誰だがよく分からない…」といった余計なストレスを読者に与えては、話の内容も伝わらなくなってしまいます。
キャラの人数が増えれば増えた分だけ、一人一人のキャラに割ける尺は減っていきます。すると当然ながら情報が読者に伝わりづらくなるということです。
数ページのストーリー漫画なら2人もしくはせいぜい3人、数十ページなら3人~5人程度で十分でしょう。
ネームはしばらく時間を置いて読み返す
ネームとは下絵の下絵的なコンテのことです。原稿に入る前にはこのネームの作業を基本的に必要とします。
原稿を描くときはすでに話は組み立てられているため、このネームこそが話の面白さを決める大事な工程になるといえるでしょう。だからこそネームにはしっかりと時間と労力をかける必要があります。
ネームを何度も描き直すことになる場合は多いです。しかし描き直しを何度もこなしていると、「もはや何が面白いのか分からない…」と迷うことも多くなっていきます。
そんなときは冷静に自分の作品を見つめなおす目線が必要になります。ただ直すことばかりを考えず、思い切って一度しばらくネームから距離を置きましょう。
たった1時間程度でも良いです。一度離れる機会を作ることで、客観的に自分の作品を読む姿勢を持つことができます。
その客観的な目線は、いわば読者の目線です。読者が始めてこの作品を読んだらどう思うのか、その感覚に近いものを得ることができます。それによってわかりづらい部分や矛盾している部分などが、見えてくるようになります。
まとめ
漫画という一つの作品を制作し、自分の描きたいことを読者に届けるのは、とても大変な作業です。だからこそ描いた漫画を楽しんでもらえて収入につながることは、クリエイターとして冥利に尽きることになります。
副業で漫画を描くことを選択する場合でも、漫画を面白く描くために注意すべきことは変わりません。読者を唸らせるような、SNSでバズるような、クライアントが依頼したくなるような……そんな面白い漫画を描くことは、副業でも本業でも同じなのです。
今回ご紹介したポイントを知っておけば、それだけでもスキルアップにつながることは間違いないでしょう。
初めて漫画を本格的に描いて副業につなげていく予定の人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
- Written by CHOCO*MINT
- フリーランスのWEBライターとして執筆活動をしつつ、細々とイラストと漫画もかじっています。書くことも描くことも時間を忘れて夢中になれることです。