デザイン&クリエイティブ
イラストレーターが低単価の仕事を受けるメリット・デメリット
イラストレーターの仕事を受ける際、低い単価の仕事はやるべきかどうか、特に最初のうちは悩むものです。
もちろん、副業としての収入がある程度安定してくれば、単価も同じように安定してきます。しかし駆け出しのうちは、「低単価の仕事でも受けなければ。選んでいられない」という心理にもなるものです。しかし低単価の仕事を受けることには、当然ながらメリットもあればデメリットもあります。
そこで今回は、イラストレーターが低単価の仕事を受けるメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
目次
低単価の仕事を受けるかどうか悩む……
低単価の仕事を受けるべきか悩むことは、イラストレーターを始めれば誰にでもあることでしょう。
副業でも本業でも、誰だって当然単価の悪い仕事はしたくありません。しかし仕事を選んでいられるほど悠長ではいられないときもあります。そんなとき、どこまで単価を妥協できるか……そのラインは人によって変わってきます。もちろん、単価の低い高いに関わらず、仕事は仕事。真摯に対応して作品を仕上げることは当然ですが、低単価の仕事ばかりではなかなか収入が上がらないのも現実です。まずは低単価の仕事を受けるべきか、それとも断るべきか……両者を見極めるために、低単価のイラスト仕事におけるメリット・デメリットを確認しておきましょう。
メリット①仕事が決まりやすい
低単価の仕事は、何より受注しやすいのが魅力的です。
お伝えしたように、誰だって高単価の仕事には魅力を感じます。その方が効率的に稼ぐことができるのは確かですし、イラストレーターとしてやりがいを感じる仕事も多いでしょう。だからこそ高単価で条件の良い仕事には、応募が集中しやすくなります。また、採用の条件もより厳しくなりがちです。
これに対して低単価の仕事は、傾向として採用条件が少しゆるめに設定されていることが多いのです。クライアントもこのあたりの条件設定は理解していて、条件も厳しい・単価も低い……では当然良いところなしなので応募も集まらないからですね。
そのため低単価の仕事に応募すれば、高単価の仕事に応募するより、仕事ははるかに決まりやすくなります。単価が低い分、作品を仕上げるまでにかかった時間と報酬のバランスが取れないというデメリットはもちろんありますが、その分仕事が決まりやすいのはメリットになります。
メリット②ちょっとしたお小遣い稼ぎになる
単価の低い仕事は、決まりやすい、気軽に手を出しやすいなどの魅力があります。そのためちょっとしたお小遣い稼ぎとしては最適です。
副業とはいっても、時給換算の単価にこだわらない人も多いです。時間はかかっても良いから、少しでもお小遣い稼ぎがしたいという人もたくさんいるでしょう。
そうなってくると、逆に高単価の仕事を狙って狭き門をクリアしようとする方が、ハードルが上がって大変になる場合もあります。単価は気にしない、少しでも稼げれば満足という人にとっては、低単価でも十分ありがたいといったところでしょう。
デメリット①割に合わない仕事になる
低単価の仕事を受ける最大のデメリットは、やはり割に合わない仕事になってしまうという点です。
時給換算してみればわかるように、低単価の仕事は、どう頑張っても時給換算の単価が100円や200円といった「超ブラック」な仕事になりがちです。
いくら好きなイラストレーターの仕事とはいえ……そんなブラック仕事ばかりでは残念な気持ちになりますよね。まるで自分というイラストレーターの価値が低いと言われているようで、なんだかむなしい心理に駆られてきます。
また、副業としてそれなりに収入を生み出していきたい人にとって、やはり割に合わないのは死活問題です。どれだけ時間をかけて稼いでも、月に稼げた額は1000円少々……これでもし「毎月1万は副業でプラスしたい」と目標を立てていたとしたら、達成額は10分の1ほど。単価を妥協していなければ、もしかすると目標額に近い数字は稼ぎ出せていたかもしれません。
低単価の仕事を受けることは、とにかく効率的に稼ぐうえでは、大きなデメリットとなります。
デメリット②「低単価でも受けてもらえる」と思われてしまう
低単価の仕事を安易に受注するのは、自分を安売りするようなものなので、あまり好ましくありません。
「この人はこの単価でも仕事をしてくれる」というイメージがついてしまうのです。「今回だけ」と自分では思っていても、クライアントは「この人は低単価で受けてくれる人」とすっかり印象を持ってしまっているかもしれません。すると、次に同じクライアントから仕事を受注する機会があった際も、同じような単価の仕事になってしまうことが多くなります。
一度低単価で仕事を受けている以上、なかなか交渉もしづらくなるでしょう。先方からしてみれば、「この前はこの単価で受けてくれたのに、なぜ?」という感じですからね。
デメリット③スキルが上がらない
残念ながら、低単価の仕事を受けるばかりでは、スキルアップにつながらないことも多いです。
上でも触れたように、低単価の仕事はあまり条件が厳しくなく、簡単なイラストの仕事も多いです。そうなると、今の自分の能力のままチャレンジできることばかりなので、スキルアップすることも望めなくなります。良くも悪くも、自分のスキルは停滞するままです。もちろん「スキルアップすることにこだわってイラストレーターの仕事をしているわけではない」という人もいるでしょうし、「仕事があればなんでもやる」という人もいるでしょう。また、どんな仕事でも全力で取り組めばスキルアップにつながるのも確かです。
しかし条件が厳しくないがゆえに、どこか無意識のうちに向上心なく仕事を「こなしてしまう」ことが出てきてしまいます。イラストレーターとしてどんどんスキルを上げたい、ゆくゆくは専業のイラストレーターになれるくらい上手になりたい……そう思っている人には、やはり高単価で条件の厳しい仕事の方がおすすめです。
低単価の仕事を受けるときは慎重に
低単価の仕事を受ける際には、ある程度慎重になることが大切です。「とにかく仕事が欲しい!」というハングリー精神も大事ですが、選ばなすぎると逆に地雷を踏む可能性も出てきます。対応に難ありのクライアントに当たることもあるかもしれません。ですがやはり、仕事がない状況に陥れば、低単価の仕事も受けるべきか悩むところでしょう。ちなみにそんなときおすすめなのは、低単価の仕事をどうするか、自分であらかじめルールを決めておくことです。
・基本的に受ける仕事は時給換算○○円のものにするか
・単価はどこまでなら妥協できるか
など、あらかじめルール作りをしておけば、仕事を選ぶうえでも自信を持って行動ができます。そのときの行き当たりばったりで受ける・受けないと決めていると、後になって失敗を重ねることがあるため、ぜひ注意してくださいね。
まとめ
イラストレーターの仕事を受ける際、単価にはある程度こだわりを持つのがおすすめです。仕事はなんでも受けるという姿勢も時として大事なものですが、あらかじめ自分の中でルールを決めておかないと、割に合わない仕事に振り回されて嫌な思いをすることも出てきます。また、低単価の仕事を受けるべきか迷ったら、上のようなメリット・デメリットをしっかり見極めることも大事なことです。
自分にとって後悔なく、そしてやりがいと楽しみを感じながら仕事をしていけるよう、低単価の仕事を受けるべきか断るべきかをしっかり決めていってくださいね。
- Written by CHOCO*MINT
- フリーランスのWEBライターとして執筆活動をしつつ、細々とイラストと漫画もかじっています。書くことも描くことも時間を忘れて夢中になれることです。