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移住したい国No1、マレーシアで暮らすための積立投資

充実したセカンドライフを送るべく、海外移住を検討されている方がいらっしゃると思います。日本人にとって一番移住したい国が、「東南アジアの優等生」と評される常夏の国マレーシアです。

そこで今回は、マレーシアという国を概観しつつ、同国に移住するために求められるビザ取得費用、その費用を若いうちから貯蓄するための効率的な積立投資法をご紹介します。

移住したい国No1、マレーシアで暮らすための積立投資

南国マレーシアに移住を検討

まず、一般財団法人ロングステイ財団が2019年4月初頭に発表した最新のロングステイ希望国・地域を参照すると、日本人にもなじみの深いハワイやタイ、オーストラリア、フィリピンなどを抑え、マレーシアが実に13年連続移住したい国のトップに君臨しています。

一年を通して温暖な気候や比較的安定した治安、高水準の医療といった項目が評価されているようです。

また、マレーシアへは日本から直行便で7時間半、時差が1時間ほどであるため、欧米諸国と比べて昼夜が逆転することがないこと、地震などの天災がないこと、同国のマハティール首相を始め親日家が多いことなども移住を検討する際の大きなポイントになっていると見られます。


マレーシアはイスラム教を国教とし、マレー系・中国系・インド系に先住民族を加えた多民族国家であるため、食や文化といった異国情緒を楽しみながらセカンドライフを送ることが期待できます。

また、東マレーシアのボルネオ島には、透き通った海とマレーシア最高峰のキナバル山、熱帯雨林のジャングルなど大自然も満喫することができます。

その他にも、同国の首都であるクアラルンプールは東南アジアでも有数の近代都市として、ショッピングやクラシックコンサートなどを楽しめ、多くの日本人駐在員が暮らしています。


加えて、マラッカとジョージタウン、マラッカ海峡の古都群やグヌン・ムル国立公園、キナバル自然公園、レンゴン渓谷の考古遺跡といった世界遺産もあり、同国発祥の割安航空会社エア・アジアを利用して旅行を楽しむことができます。

南国マレーシアに移住を検討

移住に必須のMM2Hビザ

マレーシアへ実際に移住をする際に必要となるのが、「マレーシア・マイ・セカンドホーム(MM2H)」と呼ばれるビザです。
MM2Hビザを取得することで、同国に最長10年滞在が可能で、ビザを更新することもできます。

そしてMM2Hビザを取得する際に求められる経済的条件があります。

50歳未満の方は、最低50万マレーシア・リンギット(約1,350万円、1リンギット=27円換算) 以上の預金や有価証券といった財産証明と、月額1万リンギット(約27万円)以上の収入証明が必要です。MM2Hビザ取得の仮承認後、そのうちの30万リンギット(約810万円)をマレーシアの金融機関で定期預金する必要があります。

また50歳以上の方は、最低35万リンギット(約945万円)以上の財産証明と、月額1万リンギット(約27万円)以上の収入証明もしくは年金証明(基礎年金のほか企業年金を含む)を提出しなければなりません。

MM2Hビザ取得の仮承認後には、そのうちの15万円リンギット(約405万円)をマレーシアの金融機関にて定期預金を組む必要があります。


ちなみに、マレーシア最大規模のメイバンクの60カ月物定期預金は3.35%であり、利子に対する課税もないため、複利効果を発揮した効率的な資産形成を実践することが期待できます。

移住に必須のMM2Hビザ

つみたてNISAやイデコを活用

以上の通り、マレーシアでセカンドライフを送るためには、日々の生活費とは別にMM2Hビザ取得のための1,000万円前後の資産を貯蓄しておかなければなりません。
そこで若いうちから活用していただきたい制度が、つみたてNISAイデコです。

まずつみたてNISAとは、少額から始められ、長期的に分散が図られた積立投資を後押しする非課税制度です。
日本に住む20歳以上の方が利用できる制度で、非課税投資上限金額は毎年40万円、非課税期間は最長20年間となっています。つまり、最大で800万円分の非課税投資枠を利用することが可能です。

そしてつみたてNISA最大の特徴は、NISA口座で買いつけた投資信託から得られる分配金や譲渡益が非課税になることでしょう。
つまり、通常では投資信託へ投資した際に得られる利益に対し20.315%の税金が課せられますが、つみたてNISAでは非課税となります。

たとえば、10万円の利益をあげた場合、一般口座や特定口座(上場株式などの取引で得られた年間損益を証券会社などが代わりに計算するサービスを提供する口座)では2万円ほどの税金が差し引かれるのに対し、つみたてNISA口座を通じた投資では本来差し引かれるはずの税金分も含め再投資を行えるため、より効率的な資産形成が可能になると考えられます。

実際に、金融庁が提供している資産運用シミュレーションを活用してみると、毎月の積立金額を3万円、想定利回りを3%、積立期間を20年間とするケースでは、最終積立金額は約985万円と計算され、マレーシアのMM2Hビザに必要な1,000万円ほどの資金を貯蓄することが可能です。

つみたてNISAやイデコを活用

次にイデコとは、個人型確定拠出年金制度の愛称です。
こちらはゆとりある老後生活を送るための私的年金制度になります。

基本的に20歳以上60歳未満の全ての方が加入でき、月々5,000円から始められるため、個々人のライフプランに合わせた資産運用が可能です。イデコは国民年金や厚生年金とは異なり、あくまで自助努力による年金資産の形成手段であるため、自分自身が掛け金を拠出し、自ら運用し、それまで積み立てたイデコ資産を自ら受け取る仕組みとなっています。

イデコの最大の特徴は、拠出時と運用時、そして受取時の3つの税制優遇措置でしょう。
つまり、掛け金の全額が所得控除の対象となり、所得税および住民税を節税することができます。

次に運用時には、つみたてNISA同様、運用益が非課税となります。

そして3つ目の受取時には、積立資産を受け取る方法によって異なりますが、年金形式で受け取る際は公的年金等控除、一時金形式で受け取る場合には退職所得控除の対象となり、それぞれ税制優遇を受けることが可能です。

ただし1点注意が必要なのが、老後資産の形成を図るイデコは積立資産を原則60歳まで引き出せないことです。

それではイデコ制度を司る国民年金基金連合会のイデコ公式サイト内で提供されている、かんたん税制優遇シミュレーションを活用してみましょう。

年収を500万円、年齢を30歳、掛け金を3万円として計算すると、60歳まで加入していた場合、イデコによる税制優遇額は216万円、イデコの積立総額は1,080万円と想定されます。

イデコを活用した場合、50歳以上の方に関して、マレーシアのMM2Hビザ取得のために求められる資産要件をクリアすることができます。

貯蓄金額1,000万円と聞くと、なかなか達成することは難しいように思われますが、シミュレーションの結果から、若い時からコツコツと少額の積立投資を実践することで、実現することも可能であることが分かっていただけたかと思います。

まとめ

最後となりますが、筆者も数年間住んでいたことのあるマレーシアは、まさに異国情緒溢れる生活を楽しめる国であったと思います。

毎年花粉症に悩まされていましたが、同国ではその心配もありません。今回ご紹介したつみたてNISAとイデコは、ともに税制優遇を享受できるお得な資産形成手段です。

皆さんも若いうちからコツコツと積立投資を行うことで、いざセカンドライフを送る際に必要な資金を着実に形成されてみてはいかがでしょうか。

Written by ファイナンシャルライター
元外資系証券マン。現在はフリーランスとして金融関連の記事を執筆しています。趣味は海外旅行、海外サッカー観戦など。

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