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ジュニアNISA・つみたてNISAを活用した教育資金の形成

お子様のいる多くの家庭にとって、悩みの種の一つが子どもの教育費用をいかに工面するかだと思います。

幼稚園から小中高、そして大学に至るまで多額の資金を要するため、計画的な資産形成を図る必要があります。

そこで今回は、子どもの教育資金を貯蓄する効率的な方法として、ジュニアNISAとつみたてNISAをご紹介します。

ジュニアNISA・つみたてNISAを活用した教育資金の形成

子どもの教育費用の目安

そもそも子どもの教育費用はどのくらいの金額になるのか整理していきましょう。

文部科学省が公表した「平成28年度子供の学習費調査の結果について」によると、幼稚園から高校まですべて公立学校に進学した場合、学習総額費(学校教育と学校給食費、学校外活動費)は148万円ほどに、すべて私立学校であれば約438万円になる結果が出ています。

さらに大学費用に関しては、国立大学は4年間で240万円ほど、私立大学であれば約400万円かかる見込みです。

たとえすべて国公立に進んだとしても、少なくとも400万円は必要となる計算になります。

多くの方にとって多額の資金を急に準備することは難しいことから、計画的に教育資金を貯蓄しなければならないといえるでしょう。

そこで活用していただきたいお得な制度が、ジュニアNISAやつみたてNISAです。

子どもの教育費用の目安

ジュニアNISAとは

まずジュニアNISAとは、0歳から19歳の未成年者を対象にした少額からの投資をサポートする非課税制度です。

ジュニアNISAの最大のメリットは、NISA口座を通じて購入した個別株式や投資信託から得られた利益が非課税となる税制優遇を享受することができることです。

たとえば、NISA口座からトヨタ自動車株式を購入し10万円の利益を上げたとします。
一般口座や特定口座(上場株式等の売買から得られた年間損益を証券会社等が計算するサービスを提供する口座)を通じた投資であれば、通常20.315%の税金が課せられ、約2万円が差し引かれた8万円が手元に残ることになります。

一方でNISA口座であれば、本来税金として差し引かれた金額である2万円を含めた10万円の利益を再投資にまわすことが可能で、より効率的な資産形成を実践できることになります。


そしてジュニアNISAの非課税投資上限金額は毎年80万円で、非課税期間は最長5年となるため、最大400万円の非課税投資枠を利用することが可能です。

ジュニアNISA制度をフル活用することで、4年間の私立大学での教育費用をまかなえる計算になります。

なお、ジュニアNISAでは個別株式や投資信託で運用するのは、口座開設者である未成年者ではなく、両親や祖父母といった2親等以内の親族の方です。

また、ジュニアNISAには「ロールオーバー」といって、非課税期間である5年間が終了する際に、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移管することも可能になります。

たとえば、NISA口座を通じて購入した成長著しい企業の株式を80万円分保有し20万円の利益を上げていたとして、非課税期間終了後も株価の値上がりが期待できるとします。
そこでロールオーバーすることにより、元本部分80万円に加え利益の20万円分も含めて、更に5年間非課税期間を延長することができます。

つまり、最長10年間にわたり、非課税メリットを十分に享受することになります。


ジュニアNISAには運用益が非課税となる大きなメリットがある一方で、注意点もあります。

ジュニアNISAはあくまで子どもの教育資金などの形成のための制度であるため、口座開設者である未成年者が18歳になるまで資金を引き出すことはできません。

つまり、ジュニアNISAで積み立てた資産を、子どもが18歳になるまで日々の生活に充てることはできませんので、同制度を活用する際は余裕資金で投資を行うようにしましょう。

ジュニアNISAとは

つみたてNISAとは

次につみたてNISAです。

2018年からスタートした同制度は、少額からコツコツと積み立て、長期間にわたる分散投資を後押しする非課税制度であり、日本に在住の20歳以上の方を対象にしています。

ジュニアNISA同様、運用益が非課税となるメリットを有しています。
NISA制度を司る金融庁が公表した最新のNISA利用状況調査によると、2018年12月末時点、つまり1年でつみたてNISA口座数が100万口座を突破し、税制優遇メリットのあるつみたてNISA制度の利用拡大が進んでいる状況です。


そして、つみたてNISAの投資限度枠は毎年40万円、非課税期間は最長20年間となり、つみたてNISAを最大限活用した場合、運用成績を考慮しない仮定において、800万円の資産を貯蓄することができます。

また、つみたてNISAで購入できる金融商品は、長期の積立・分散投資にマッチした一定の投資信託に限られます。
つみたてNISAで購入できる商品か否か確認する方法としては、金融庁のNISA特設ページやつみたてNISA向けの投資商品を開発する運用会社のホームページなどでチェックすることが可能です。なおつみたてNISAには、ジュニアNISAのような18歳になるまでの引き出し制限はありません。


一方でつみたてNISAの注意点として、もう一つのNISA制度である一般NISAと併用して活用することはできず、どちらか一方を選択する必要があります。

また、ジュニアNISAとは異なり、もともと最長20年間という長期にわたる非課税期間を設定しているつみたてNISAは、ロールオーバーすることはできませんので注意してください。

さらに、つみたてNISAで運用できるのは一定の投資信託のみとなります。
投資信託で資産運用を実践する際にチェックすべき項目として、「信託報酬」が挙げられます。
信託報酬とは投資信託を保有している間にかかってくる管理費用であり、運用成績を大きく左右する非常に重要な要素でもあります。

たとえば、100万円分の投資信託を購入し、その信託報酬が2%であれば、2万円の費用負担を負うことになります。

そして、つみたてNISAのメリットである運用益非課税というメリットをフル活用するには、20年間投資信託を保有することになりますので、信託報酬の低い投資信託で運用するよう心がけましょう。


なお、つみたてNISAとジュニアNISAを始める際には、両制度を取り扱っている金融機関にNISA口座を開設する必要があります。

ただし、NISA口座は銀行の普通預金口座とは異なり、1人1口座しか開設することができません。
またNISA制度を始める方のなかには、NISAを通じて初めて投資を行う方もいらっしゃることでしょう。

そこでNISA口座を開設する金融機関選びのポイントとして、豊富な商品ラインナップを提供していることに加え、手続き面などの各種サポート体制がしっかりしている金融機関を選択するようにしてください。

筆者もつみたてNISAやジュニアNISAを始めておりますが、自分自身のリスク許容度にマッチした低信託報酬の投資信託のラインナップが充実しているか、また最近流行りのポイント投資に対応しているかなどをチェックしながら金融機関を選びました。

つみたてNISAとは

まとめ

最後となりますが、これまで子どもの教育資金の目安や、効率的な資産形成手法としてジュニアNISAとつみたてNISAをご紹介しました。

ジュニアNISAとつみたてNISAはそれぞれ運用益が非課税となるメリットを備えているものの、異なる特徴を有してもいます。

多額の出費が想定される子どもの教育資金をコツコツと計画的に蓄えるべく、ジュニアNISAもしくはつみたてNISAを活用してみてはいかがでしょうか。


また、ジュニアNISAとつみたてNISAは併用することができますので、資金に余裕がある方は両制度をフル活用することで、税制優遇メリットを存分に発揮させながら効率的な資産形成を実践してください。

Written by ファイナンシャルライター
元外資系証券マン。現在はフリーランスとして金融関連の記事を執筆しています。趣味は海外旅行、海外サッカー観戦など。

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