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おすすめ投資関連書籍~お金の流れで読む 日本と世界の未来~

「お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する」の著者であるジム・ロジャーズは、世界の三大投資家と称されています。

そんな偉大なる投資家が、5年後のアジアで最も幸せな国はどこかというテーマのもと、日本や中国、韓国などの将来をお金の流れという視点から読み解いた一冊が本書になります。

また、日本が克服しなければならない様々な課題に対しても独自の視点でその解決策を示しており、個人投資家の皆さんにとっても投資対象国や分野を探る際の貴重なアイデアを共有することができる良書といえるでしょう。

おすすめ投資関連書籍~お金の流れで読む 日本と世界の未来~

そもそもジム・ロジャーズとは?

米国の片田舎で決して裕福ではない少年時代を過ごしたジム・ロジャーズは、米国および英国の名門大学で歴史を学び、物事を深く考える思考力を身につけたといわれています。

そして、ジョージ・ソロスと今や伝説のヘッジファンド(高度な多岐にわたる取引手法を駆使し、相場の上昇または下落時の両局面で利益を追求するファンド)であるクォンタム・ファンドを立ち上げ、10年間で4,200%という驚がく的な利益をあげることに成功した、まさに投資業界のカリスマ的存在です。

また、グローバルなマクロ的視点と、分野や企業を特定したミクロ的視点の両方を使いこなし、お金の流れを見抜くユニークな投資家でもあります。

そんなジム・ロジャーズが大切にしている投資方針は、投資を成功させるためには歴史に学べということです。過去に起きた大きな相場の上昇や下落を調べ、その動きは何によってもたらされたのかを探る姿勢を徹底させているといいます。

そこで投資の世界に目を向けると、歴史が教えてくれるのは、今後はアジアの時代が来るということです。一方で世界の覇権を握る米国は、有史上最大の債務国(他国からお金を借りている国)であり、米国の株式市場が2009年3月に底をつけてから約10年上昇を続けているものの、いつか必ず上昇相場が止まると断言しています。また親日家として知られるジム・ロジャーズは、日本に対しても厳しい視線を送っています。

つまり、日本国内の財政をみると、長期債務残高は2017年末の時点で地方を除く国家レベルだけでも約898兆円にものぼり、歴史的に債務が大きい国は常にひどい姿になって終焉するとみています。

そして、仮にジム・ロジャーズが10歳の日本人であったとしたら、他国への移住を検討するともコメントしています。なおその他にも歴史から学べることとして、4年から8年の周期で大きな経済問題が生じるというもので、世界中で負債額が膨れ上がっていることを危惧し、今後1年から2年のうちに史上最悪の経済危機が起こると予想しています。

そもそもジム・ロジャーズとは?

次の買いは南北朝鮮の統一

そんなジム・ロジャーズが考えるこれからの10年から20年の間で最も投資妙味があると見込む国が、北朝鮮と韓国の統一国家です。まもなく北朝鮮が開かれ韓国と統一されることで、世界で最も刺激的な国になると予想しています。北朝鮮と韓国は同じ言語を話し、規律正しく勤勉性もあり、とてつもない量の天然資源を有しており、韓国が現在抱える少子高齢化問題や経済低迷を解決することになることに加え、北朝鮮は2桁以上の非常に速いペースで経済成長を遂げると考えています。

そして今後5年間に南北朝鮮で急成長を遂げる産業として、ツーリズムと農業を挙げています。その他にも鉱山業や漁業、アパレル産業を有望市場としてピックアップしています。北朝鮮が開かれることで、韓国人はもちろん、世界中に散らばる韓国人が北朝鮮を見るために旅行が盛んになると見込んでいます。また、北朝鮮から多くの若者や安い労働力が韓国農業やアパレル産業に参入してくることで競争力が高まること、そして北朝鮮には豊富な鉱床があることを理由として挙げています。なお、ジム・ロジャーズは大韓航空や様々な銘柄に分散投資ができる韓国のETF(上場投資信託)を保有しているとのことです。

次の買いは南北朝鮮の統一

ジム・ロジャーズが提示する日本再興への道

大の日本びいきとして知られるジム・ロジャーズは、日本の未来に関して悲観的な考えを示しています。つまり、歴史を振り返れば、人口が減少する一方で借金が膨れ上がり、外国人を受け入れない国はいずれ滅びるということです。

他方で、ジム・ロジャーズが日本の総理大臣になったと仮定して、日本経済が再生するための3つの手法として、歳出の大幅カットと貿易の活発化、移民の受け入れを挙げています。特に公共事業への支出を削減し、自由貿易の流れを促進すること、そして少子高齢化問題を解決する手法として、慎重にではあるが移民を受け入れていく必要があると主張しています。なお、ジム・ロジャーズが今後10年から20年で最も刺激的な国として挙げた韓国も少子化問題を抱えているものの、朝鮮半島が統一されることで、北朝鮮から女性がたくさんシフトし、安い労働力も参入してくることで状況が好転するとみています。

更に日本が誇る3つの強みとして、クオリティの高さと生真面目で勤勉性を持つ類まれな国民性、そして貯蓄率の高さを挙げており、日本において投資すべき産業としてツーリズムと農業、教育をピックアップしています。日本には数多くの名所がありサービスクオリティも高いため、観光やホテルなどは投資妙味があることに加え、政府によって保護されすぎている農業は、担い手さえ見つければ競争がない業界だからこそ魅力的なようです。また移民であれば、低賃金で農業でも働いてくれるであろうとみています。

ジム・ロジャーズが提示する日本再興への道

世界の覇権国に最も近い中国

いち早く中国の台頭を予見していたジム・ロジャーズは、2007年に母国である米国からシンガポールに移住を決断しています。

その理由は、最愛の娘たちに中国語を学ばせるためです。

米国が世界の覇権を握っていた時代が終わり、世界の中心が中国にシフトすると考え、中国語を操ることができることが大きなアドバンテージになるとみているためです。

そして、世界をリードするのに最も近い国が中国であると考えており、その背景として、エンジニアを圧倒的に輩出していることを挙げています。

中国は毎年、米国の10倍、日本の15倍ほどのエンジニアを輩出し、科学・技術・工学・数学系の学生を多数抱えることで、テクノロジー企業の急成長に結びついているとみています。

なお、ジム・ロジャーズは中国に投資をするのであれば、環境ビジネスと鉄道などのインフラ関連、そしてヘルスケア産業が有望であるとコメントしています。一方で中国の弱みとして、日本同様出生率の低さを挙げています。

世界の覇権国に最も近い中国

まとめ

今回はおすすめの投資関連書籍として、ジム・ロジャーズの「お金の流れで読む 日本と世界の未来」のなかから、注目に値するエッセンスを抽出しご紹介してきました。

日本は現在、自助努力による資産形成が求められる時代に突入しており、政府も投資を後押しすべく、税制優遇メリットのあるNISAやiDeCoの積極的な活用を促しているのが現状です。

皆さんも、個別株式や投資信託などで投資を実践される際は、今回ご紹介したジム・ロジャーズの独創的な投資アイデアを参考にして、投資先を検討されてみてはいかがでしょうか。

Written by ファイナンシャルライター
元外資系証券マン。現在はフリーランスとして金融関連の記事を執筆しています。趣味は海外旅行、海外サッカー観戦など。

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