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赤字でも節税になる!?サラリーマンの副業について

サラリーマンの方で副業を検討されている方、多いのではないでしょうか。
本業の給料以外に収入があれば生活水準も上がりそうですし、収入が増えたり貯蓄が貯まれば将来の働き方の幅も広がりますね。
しかし、副業って本当に稼げるのだろうか、逆に赤字になってしまうのでは、と考える方もいらっしゃると思います。
本業以外の余暇の時間を使うのですから当然ですよね。
でも実は副業が赤字の場合、本業による所得税や住民税の節税のメリットもあるということをご存知でしょうか。

この記事では、サラリーマンの副業と節税について説明します。よって、以下のような方に向けて執筆しています。
・副業にチャレンジしてみたいと考えられている方
・今まさに副業をやられている方
・過去に副業にトライして赤字が出て撤退された方(もしかしたら過去の税金が取り返せるかもしれません)

赤字でも節税になる!?サラリーマンの副業について

所得税や住民税の仕組みと節税について

まず最初に所得税と住民税の仕組みを確認し、何故副業で赤字が出たら節税になるのか解説します。

所得税や住民税の仕組みと節税について

所得税の仕組みについて

所得税や住民税は基本的に以下の通り求めます。


①1年間の所得の合計を計算する収入から、その収入を得るために支出した費用を差し引いた残りを所得といいます。


収入 − 費用 = 所得


例えば、Webライターの収入が1万でその収入を得るために漫画喫茶で10時間4000円でライターの仕事だけしたとします。


すると所得は6000円となります。


また本業の給与の所得は総支給額(手取りではなく、住民税や社会保険料などを引く前の金額)になります。


個人の所得税や住民税はその年の1月から12月までの所得の合計です。


基本的に所得税・住民税は本業・副業問わずこれらの所得を合計して(合算といいます)、その人の1年間の所得金額を算出します。


②控除を差し引いて、税率を掛け合わせます。


所得金額から基礎控除などのありとあらゆる控除を差し引いて、その人の課税所得金額を算出します。


ちなみに本業の給与所得はここで給与所得控除というものを控除されます。


そしてその課税所得金額に、累進課税に従って税率をかけることで税金の額を導き出します。


 

所得税の仕組みについて

課税所得が節税のカギ

つまり、課税所得が少なければ税金の額も減るのです。


副業が、収入から費用を差し引くと赤字の場合は、所得の合算のタイミングで所得合計が減ることになります。


このようにして、副業で赤字が出ても所得税や住民税で節税効果が期待できます。


上で述べたように、副業で黒字が出ればその分税金は発生しますが、所得の一部が税金になるため手元に残るお金で生活は豊かになりますし、逆に赤字が出ても本業の節税対策になります。


では、副業で本当は黒字が出ているのに不要な経費をあげると収入は増えて節税にもなると考える方がいらっしゃるのではないでしょうか。その点について副業の経費について次の項で説明します。

課税所得が節税のカギ

副業の経費について

給与とは違い、副業の場合は自分で経理を行う必要があります。


このとき副業の経費については自分で判断が必要なのです。


経費のことを事業所得といいますが、この事業所得の場合の経費は単純に事業を行う上で要した費用です。


そのとき証拠書類として領収書やレシートが必要になります。


領収書やレシートが発行されない場合でも、クレジットカードであれば利用明細書、ATMの振込明細や通帳はその請求書等と併せることによって、キャッシュレス決済はその利用履歴によって代えることができます。


また、事業を行う上で要した費用とは具体的に何を指すのでしょうか。


例えばWebライターで事業所得を得ている場合は、家賃、通信費、パソコン、マイカー費用、資料代などが考えられます。家賃やマイカーも経費になるのか、と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、このときポイントとなるのが事業使用割合と家事使用割合です。


つまり支出した費用のうち、事業に使った割合のみ経費とすることができます。自宅で事業を行っている場合には家賃の一部が経費として認められます。


このとき自宅の一部を作業部屋として整備してその面積割合で計上します。例えば家賃4万円の家に住んでいて、家の面積割合1/4が作業スペースとすれば毎月家賃1万円を経費にあげることができます。


また通信費は自宅のインターネット利用料、携帯電話の通信費の一部が経費として認められます。


このとき使用時間を元にその割合で計算する必要があるため、おおよその作業時間を毎日記録しておく必要があります。


次にパソコンやマイカーも事業に使用する割合については経費にできます。


このとき高額な資産であれば減価償却という計算を行って、支出した費用を数年にわたり、事業に使用した割合で経費にすることができます。これも通信費とは同じように使用時間を元に事業に使用した割合を計算します。


なお、パソコンやマイカーの修理費用や、マウスやプリンターなどの周辺機器についても事業に使用した割合で経費にすることができます。資料代についても経費として認められます。


どの資料がどのように使われているのかしっかりメモを残しておきましょう。


また、業務を行うために勉強した本やセミナーなども事業に要した費用のため、経費計上できます。


以上が経費についての説明です。


これ以外にも副業の経費として認められるものがありますので、気になる方は税務署や税理士などにご相談ください。

副業の経費について

副業を行う上での注意点

以上のように副業とその経理を正しく行うと、黒字であれば手取りが増え、赤字であれば本業の税金対策になることがわかりました。


しかしここで副業を行う上での注意点があります。


・副業を雑所得ではなく事業所得として認められる準備をすること


事業所得でなく雑所得として認められた場合給与所得と損益通算ができないため、本業の節税を狙うのであれば雑所得として認めらる準備を行う必要があります。


「継続した期間で安定した収入を得ている」


「儲かる可能性がある」


「労力と費用を費やしている」


「職業として認知されている」


などが判断材料となります。


売上が一時点のものではないこと(継続的である)など、論理的に説明できる準備が必要です。


また実際に継続的に行えるのであれば開業届や青色申告を行うなども検討した方がいいでしょう。


・確定申告を行う必要がある


会社からでる給与は会社が年末調整をしてくれるおかげで給与だけの場合確定申告が不要ですが、副業で黒字で所得が20万円以上ある場合には自分で確定申告を行う必要があります。


また赤字の場合や事業所得が20万円以下の場合であっても、節税や税務署からの問い合わせを避けるために確定申告した方がいいでしょう。


 


以上です。今まで副業が赤字だからと確定申告をしてこなかった方もいるのではないでしょうか。


そのときは更正の請求というものを行うことで税金を取り返せる可能性があります。

副業を行う上での注意点

過去の払いすぎた税金を取り返せる!?更正の請求や期限後申告について

過去に確定申告を行っていないのであれば期限後の確定申告、過去に確定申告を行っている場合には更正の請求という手続きをとることができます。


更正の請求とは本来納める税金よりも多く払いすぎてしまい、確定申告の申告期限が過ぎている場合に訂正する手続きです。


認められれば、払いすぎた税金が還付されます。


このとき注意する必要があるのが、更正の請求が認められるのは申告から5年以内という期間の区切りです。


今回のように副業の赤字を更正の請求する場合、上で述べたように雑所得ではなく事業所得として認められないと給与との損益通算ができないので注意です。


さらに、内容によっては調査の対象となる場合があります。


更正の請求については「所得税および復興特別所得税の更正の請求書」に記載して郵送するか、e-taxによる電子申告も可能です。


その際、事実を証明する書類をつける可能性があるため、その計上漏れの経費領収書や帳票を準備する必要があります。


また、その年の確定申告書か確定申告していなければその年の源泉徴収票が必要になります。


このように非常に面倒な流れではありますが、払いすぎた税金を取り戻すことが可能です。


申告期限前であればしっかり期限内に確定申告をすることで節税を行いましょう。

まとめ

以上のように副業で黒字であれば手取りが増え、赤字であれば本業の節税に役立てることができます。


近年、サラリーマンの副業解禁に伴い、会社から副業を許可される方も増えてきたのではないでしょうか。


お金の面では黒字赤字どちらに転んでもメリットがありますし、たとえ続かなかったとしても確定申告方法や税金のことまた業務そのものは自分のスキルアップにもつながります。

Written by 八女
税務や経理、経済の記事を執筆しています。頑張って働く人の力になれれば幸いです。

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