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KPI設定のコツは3つ|ビジネス目標に100%近づく設定方法
ビジネスにおける目標を設定したり、その到達度から問題点を抽出する際に役立つのが「KPI」と「KGI」です。KGIは最終的なゴール(目標)を表し、KPIはそれを達成するための手段となります。
それぞれ細かい指標(売上高など)や数値(1億円など)を設定することから、その設定方法にはコツがあります。今回は、KPIを効果的に設定する3つのコツをお伝えしていきます。KPIやKGIを理解しておくと、Webマーケティングで行う顧客への提案の幅も広がるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
KPI設定のコツは「SMART」が基本
KPIとは、経営目標を達成するための手段のことです。日本語では、「重要業績評価指標」といいます。KPIには必ず「指標」と「数値」の2種類の設定が必要です。
たとえば、最終的な目標が「売上高100億円達成」だとしましょう。すると、その売上高100億円を達成するために、今度はKPIを設定していきます。ここで重要なのが、「売上高100億円を達成するためには何が必要か」という設問を入れることです。
すると、その答えが「受注件数を5,000件に伸ばす必要がある」ということだとします。これがKPIです。つまり、「受注件数5,000件」という手段(KPI)を達成することで、「売上高100億円」という最終ゴール(KGIといいます)に到達するということです。
このKPIには、「受注件数」という「指標」と、「5,000件」という「数値」が入っていますよね。このように、KPIを設定するときは必ず具体的な情報を入れ込みます。
ただ、KPIに設定する情報はどんなものでも良いとは限りません。「売上高100億円を達成」するために、KPIが「仕入原価を5億円引き下げる」では目的と手段がちぐはぐですよね。
そこで、「SMART」という手法を使うことがKPIを正しく設定するコツとなります。「SMART」は次のように、KPIを決める5つの条件の頭文字をとっています。
・Specific:明確性(人によって解釈が違わないこと)
・Measurable:計量性(測定できる数値であること)
・Achievable:実現可能性(実現できそうな数値であること)
・Relevant:関連性(目標とKPIに関連性があること)
・Timely:適時性(期限を設定すること)
KPI設定のコツは、上記5つのルールをもとに決めることが基本となります。
また、KPI設定のコツはこれだけではありません。上記の「SMART」を基本として、ほかにも3つの重要なコツが存在します。以下で詳しくお伝えしていきましょう。
設定のコツ①KGIからサブKPIまで細分化する
KPI設定のコツは、KGIからサブKPIまで細分化して指標や数値を出すことです。
サブKPIとは、KPIを中目標とし、中目標を達成するためにさらなる「指標」と「数値」を設定することを表します。たとえば、先ほどの事例だとKGIとKPIは次のようになっていました。
・KGI:売上高100億円達成
・KPI:(売上高100億円を達成するために)受注件数を5,000件に伸ばす
上記の設定で、実際に受注件数が5,000件に達したとしましょう。しかし、この情報だけでは、なぜ受注件数が5,000件になったかという理由が分かりません。営業先を増やしたことが原因かもしれませんし、商品数を増やしたことも要因の一つかもしれないですよね。
そこで、以下のようにKPIをさらに細分化していきます。
・KGI:売上高100億円達成
・KPI:(売上高100億円を達成するために)受注件数を5,000件に伸ばす
・サブKPI:(受注件数を5,000件に伸ばすために)営業先を2万件に増やす
・サブKPI:(受注件数を5,000件に伸ばすために)商品数を4種類追加
こうしておけば、最終的にデータを分析したときに、受注件数5,000件を達成できた理由のほか、売上高100億円を達成できた要因まで理解できるようになるのです。
設定のコツ②各指標のブレークダウン化
細分化(ブレークダウン化)できるのは、なにもKPIだけではありません。KGIもさらに細分化することができますし、先ほど設定したサブKPIもさらに細かく分けていくことが可能です。こういった各指標をすべてブレークダウンすることもコツといえます。
たとえば、KGI「売上高100億円」という目標は、「受注件数5,000件」だけで達成できるわけではありません。ほかにも、「平均客単価を○○円上げる」「平均購入頻度を○○倍にする」といった複数のKPIに分けていけます。
これと同じようにサブKPIもさらに細分化することが重要です。細かいデータがたくさんそろうほど、目標達成(または未達)の原因を探りやすくなるでしょう。
設定のコツ③KPI指標の見える化
KPI指標はグラフや表などで見える化することもコツの一つです。
グラフや表に達成度を記載していけば、設定したKGIやKPIの進捗具合を一目で確認することができます。また、社員やメンバー同士で情報を共有するときもグラフ・表が役立つでしょう。
【注意点】最後に必ずPDCAを回すこと
KPI設定のコツとして基礎的な「SMART」という方法と、3つのコツをお伝えしてきました。ただ、いくら上手にKPIを設定できたとしても、PDCAを実施しないことには意味がありません。
PDCAとは、次のように4つの頭文字からなり、仕事の改善や効率化に役立つ手法です。
・Plan:計画
・Do:実行
・Check:評価
・Action:改善
「計画→実行→評価→改善」と繰り返し、改善したものをさらに再計画して各行動を循環させることから、PDCAサイクルとも呼ばれています。このPDCAサイクルの仕組みは、今回お伝えしてきたKPI設定でも役立つのです。
KPI設定の段階は「Plan:計画」といえます。
そして各指標の目標に近づくよう行動を行い、最終的に出てきたデータを「Check:評価」しましょう。たとえば、KPIの「受注件数5,000件」が達成できていないようだと、その下のサブKPIである「営業先を増やす」「商品数を増やす」のどちらかに問題があるはずです。
KPI設定を行う目的の一つは、計画に対する問題点を明らかにすることにあります。そして出てきた問題点はそのまま放置せず、最後の「Action:改善」を行いましょう。ここまで行ってようやくKPIを設定する意味が出てきます。
まとめ
KPIを設定することで、ビジネスの目標に一歩近づくことが可能です。また、経営目標ばかりではなく、Webマーケティングの分野でもよく活用されています。特に、Webサイトへの訪問数やページビュー数などのデータ分析に役立つため、マーケターを志す方は必ず理解しておきましょう。
KPIを正確に設定するにはコツが要ります。今回は「SMART」を使った方法と、3つのコツを紹介してきました。広告運用やSEO分析といった仕事をするときに、ぜひご活用ください。
- Written by ゆきひろ
- ライター歴2年半で、主に金融やBtoB分野の記事を得意としています。現在は、始めたてのWebライターの講師業も務めています。自分の記事や情報が多くのフリーランスの方の成功に繋がれば幸いです。